前回2017年に公演を見て、感銘を受けた狂言。
作品が理解できたからでなく、日本の伝統芸能の一流どころを、
拝見出来ましたという感動ですけど。
再び、野村万作・萬斎率いる「万作の会」狂言公演があると知り、
ブンと行ってきました。
教育的意味を込めての価格設定でしょう、学生は二等席500円です。
特等席、一等席は早くに売り切れたみたいですが、二等席は空いていました。
でも座席は舞台近くでなくてもいいのです。
本物を見られるという事が貴重です。
演目紹介より
◎福の神(ふくのかみ):野村万作
二人の男が毎年、大晦日恒例にしている福の神詣でへと出かける。神前に参拝し、年越しの豆をまいているところへ、明るい笑い声をあげて福の神が現れる。福の神は、熱心に参詣する男たちを幸せにしてやろうと思い現れたと言い…。
とてもなごやかな雰囲気の狂言。豆まきは元々大晦日の追儺という行事に由来したもので、現在行なう節分の日は旧暦の大晦日にあたります。少しちゃっかりしたところもある神様のようですが、言うことは当たり前だけれど大事なことばかり。参詣人と一緒に耳を傾けてみて下さい。
◎鬮罪人(くじざいにん):野村萬斎
祇園会の当番に当たっている主人は町の人たちを集め、祭りの山車の相談を始める。さまざまな案が出てくるものの、太郎冠者がことごとく反対してまとまらず、主人が苦々しく思っていると、最後に出した太郎冠者の案が賛同を得て、主人もしぶしぶそれに従うことになる。早速くじ引きで役を決めて稽古を始めるのだが…。
『武悪』『止動方角』と並び、怖い主人を描く狂言の「三主物」の一つに挙げられる曲です。祭の準備に浮き立つような雰囲気の中で、どんどん調子に乗っていく太郎冠者と、みるみる不機嫌になっていく主人の、絶妙なやりとりをお楽しみ下さい。
解説は萬斎氏。お話しが上手です。
「くじざいにん」はお祭りの取りまとめのお話。
萬斎氏は「自分も今、祭りの取りまとめをしていますが、なかなか大変です。」
と言い笑いを取っていました。
二等席には小学生も数人。なぜか全部女子でしたけど。
若いうちから伝統芸能に触れるのは本当にいい事だと思います。
事前に解説を聞いているおかげで、おおよそのところは分かります。
鑑賞するのに意味が分からなくてチンプンカンプンではないです。
ブンと楽しませて頂きました。
帰りはクリスマスソングの流れるショッピングモールで、
ブンの新しい傘を買ったり、少し買い物をしました。
あと少し休憩しようとお茶を飲みました。
ケーキもやはり食べたくなり注文。
テーブル席がいっぱいでカウンター席に並んで座りましたが、
まわりの人たちの様子が自然とよくわかり、
仲の良いカップルやタブレットで絵を描いている女性とか、
思い思いにリラックスした雰囲気が自分たちにまで伝わって来て、
混んでいる割に、ゆっくりした気分に浸れました。
12月は何だか慌ただしいものですが、
こういうほっとする瞬間があると、得した気持ちです。
素敵な休日になりました。